統計屋ハルさんのロジカル投資日記

統計解析で必勝ロジック構築 ~怠惰を求めて勤勉に行き着いたお話~

白き衣を纏う神の化身を降臨させてみた。 ~創造主物語①~

f:id:hal18:20181217130236j:plain

 

私の友人に「創造主」と呼ばれる男がいた。

無から有を、生命をもつくりだす。
それが彼の想像主たるゆえんだ。

 

 

もうかれこれ15年以上前になるが、私は彼と同棲していた時期があった。

彼は無精者で、テレビに出るようなゴミ屋敷の域には達していないものの、家の中は荒れ放題。
私も多くの物に囲まれると安心するタイプであったため、それを悪しとしなかった。


独り暮らしをしているときに訪れる「自炊ブーム」。
彼はときおり自炊に目覚め、おいしい食事を振る舞ってくれた。
しかし、それがあのおぞましき事件を引き起こすことになるとは・・・

 

 

 

自炊ブームが数ヶ月過ぎ去ったある日、ふとキッチンのコンロ上にずっと置いてある鍋が気になった。

 

私 「あの鍋なにか入ってるの?」

創造主「触れてはなりません 天罰が下ります」

 私 「玉手箱じゃないんだから」

 

私はそう言って恐る恐る蓋を開けた

 

「ふンぐォォォお!!!!」

 


声にならない声を上げる私と彼。


猛烈な異臭とともに見えたのは、真っ白い、人知を超えた何かだった。

 

f:id:hal18:20181217154708j:plain



身の危険を感じ、震える手で蓋を閉じるも、既に家じゅうが汚染され、わたしたちは屋外に避難するほかなかった。

 

「少し肺に入った・・・」
彼が言った。

冗談ではなく、あの空気を吸っていたら5分ともたない


私 「そのもの、白き衣をまといて金色の鍋に降り立つべし。言い伝えの通りじゃ。」

我々は神の化身である白き物体を召喚してしまった。

私「また村が一つ死んだ。 行こう、ここもじき腐海に沈む。」

 

我々はひとまず友人の家に避難し、ほとぼりが冷めた頃におそるおそる家に戻った。
そして、残り香で気を失いそうになりながらも白神様を封印し、丁重に祀った。

腐海とともに生き、腐海とともに死ぬ。それでいいじゃないか。」

彼はそう言った。 

 

f:id:hal18:20181217160939p:plain

 


その後、その鍋は二度と蓋を開けられることなく、そのまま鍋ごと廃棄されたことは言うまでもない。